ジジ子&リクオの森と海の生活

〜 The Road to Offgrid Life ... Let's take a minute to think about what it means to "go green".〜

【永遠のものなど何もなくても…】〜南瓜は力一杯にその蔓を延ばすのみ〜

 

f:id:jijikolikuonomorinoseikatu:20161128211607j:plain

 

 

 

ホテルに戻ってきました。

今日は大阪の母に会ってきたのです。

 

 

一人暮らしの母。

その母がどんどん弱ってきています。

 

 

もう、二本の脚で立っていられないほどに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       『脚が震えて、一人で風呂に入れない…』

 

 

 

と前もって電話で聞いていたので、

今日は母の家で風呂を沸かし、

入浴介助をしました。

 

 

ナイロンタオルに石鹸を泡立て、

背中を擦る……だけのつもりが、

力無く座り、その弱った姿があまりにも哀れすぎて、

座らせた状態で全身をゴシゴシ……

洗ってあげました。

 

 

気持ち良さげな様子を見つつ、ふと思う。

『私はここから生まれたのか……』と。

 

 

普段、痛みや辛さと常に闘っている母が感じた

心地よさ……

 

 

私は複雑な嬉しさを覚えたのでした。

 

 

 

f:id:jijikolikuonomorinoseikatu:20161128205314j:plain

 

一人残していくのはとても辛く、

心残りではあるのだけれども、

 

 

私はもう……

ここには戻れない……

 

 

 

永遠のものなど何もないと想う

切なさ……

 

 

 

ぐっと振り返らず涙をのむ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:jijikolikuonomorinoseikatu:20161128204640j:plain

 

母の家の壁に飾られていた写真。

 

 

結婚後に妻の両親と、うちの母を交えて

ホテルで食事をしたときのもの。

 

 

確実にあの時よりは弱っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:jijikolikuonomorinoseikatu:20161128204927j:plain

 

私は明朝、大阪を発ちます。

およそ1700kmほど離れた土地へ。

 

 

離陸した後に見下ろす大阪の街並み。

密集したなかで多くの人々が繰り広げるドラマの数々。

 

 

私はこの情景を見ながらいつも思うことがある。

 

 

この、点にも見えないほどの建物のうちのどこかに

母がいて、そして私はその母からどんどん遠ざかっている。

 

 

しかし、私には見えなくなってしまっても、

確かにあのどこかに母はいる。

 

 

どんなに離れ、どんなに見えなくなってしまっていても、

母を想い、手助けをしたいと思い、

何か力になってあげたいと強く思う。

 

 

しかし………

 

 

どんどん遠ざかるばかりで、

私には何も出来ない。

 

 

 

想いばかりが募るのみ……

 

 

 

 

 

 

これは神の感じる想い、あるいは先祖の感じる想い……

なのではないか……と。

 

 

 

神や、この世を去っていった良き先祖たちは

かわいい子供たちである我々が苦しみもがく姿を感じても、

 

 

あまりに遠ざかりすぎて、

あるいは見えなくなり過ぎて、

 

 

手を出せないのではないか…と。

 

 

でもあの下界のどこかに愛しの子どもがいると、

愛の想いを馳せているのではないか……

 

 

上空に上がれば上がるほどに、

そういう想いが自分の感情に乗って、

こみ上げてくるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時、

帰って畑を見る。

 

 

f:id:jijikolikuonomorinoseikatu:20161128205508j:plain

 

南瓜は美しい黄色の映えるファイブスターの花火を打ち上げながら、

只々、ちから一杯にその蔓を延ばし、

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:jijikolikuonomorinoseikatu:20161128205532j:plain

 

デッシュは暗い地中にも真っ赤に、

その輝きを増し、

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:jijikolikuonomorinoseikatu:20161128205128j:plain

 

エンドウはただただ、

その緑に磨きをかけていく……

 

 

 

宇宙に永遠のものなど何もなくても……

我々の愛は不滅だと、

 

 

 

そう信じたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:jijikolikuonomorinoseikatu:20161128220823j:plain

 

いつだったか……

 

 

この写真も母の家の壁に飾られていた。

愛犬ペッツとのツーショット。

 

 

この子は5年ほど前に、あるペットショップに頼んで、

私が譲り受けてきた。

 

 

年齢が高くなってきたので、

仔犬の生産犬としては使えない、

 

 

いわゆる廃犬となるはずだったこの子を

無理やり母の元へ連れていったのです。

 

 

無理やり…といっても本当の無理やりではなく、

母は犬をはじめ、動物が大好きなのだけど、

自分の身体が弱ってきていたので面倒が見れない!

というのを、うんも言わさず置いてきたのでした。

 

 

 

 

私には確信があった。

必ずこの子は母のちからになってくれると。

 

 

 

そして想像どおり、彼女は良きパートナーとなり、

頑張って散歩のお供をしてきてくれた。

 

 

精神的な支えにもなっていることは疑いもない。

 

 

 

 

 

 

 

この写真は私が撮って、母に送ったものだが

なぜか欲しくなってしまい、譲ってくれと頼んだ。

 

 

母は快く二つ返事で私にくれたのでした。

 

 

もらったその写真を私はいつも持ち歩くポーチにしまっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふとある日、

 

 

 

何を思ったかその写真を取り出し、

何気なく写真の裏面を見た。

 

 

 

 

私は……

 

 

こんな偶然が世の中にあるものか……

と驚くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:jijikolikuonomorinoseikatu:20161128223714j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

明日は母が大好きだった祖母の命日……

 

 

 

早朝、もうすでに姿も見えない母を残して、

想いだけを残して……

私は旅立たねばなりません……

 

 

 

 

 

痛くても、苦しくても、寂しくても、

良き人生を……

 

 

 

皆さまにも願います。