【Whatever you are …あなたがどうであろうとも】〜大切なものは目には見えない〜
昨日の午後4時前……
散歩の帰り路。
もうすぐ家……というところで。
陽が落ちかけて、あたりはペールブルーの世界に。
向こう側に見える夕焼けが幻想的。
こういう色づかい、結構
ホッとして好きだなぁ。
家の軒下には大きな氷柱が。
雪国らしい風景…
刺さったら痛そう(…どころじゃないか(汗))
家の裏の道
奥さまとリクオの姿が。
ずいぶん遠くに……
( ……… 待ってぇ〜〜〜\( ̄O ̄;))
そのすぐ左横、道を挟んだところには
スキー場がある。
そのスキー場。
向こうに見えるのがゲレンデ。
家から歩いて5分。
ナイターもやってて、夜9時まで。
雪は今現時点ではフカフカです。
20年近くしてないか…
カナダ以来…。
今、持っている白いOPTIONのボードも
カナダで買ったもの。
今朝、久しぶりにボードを見てみたら
バックルのラチェットがひとつちぎれていた。
知らなかった……
経つ年月を物語っている。
でも意外とキレイな状態だった。
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すこしの間、追憶にて、かつての景色が浮かぶ。
カナダのスキー場は山自体が大きく、リフトも一番上へ行くものは
日本のそれと比べものにならないぐらい、
山のかなり上のほうまで上がっていける。
そこまでへ行くリフトは斜面がキツいなので、
座るタイプのではなく、Tバーリフトだった。
T字の鉄のバーがリフトの上から吊るされていて、
スキーヤー、ボーダーは次々回ってくるTバーを
乗り場のところでつかんですぐ股に挟み、スキーヤーは斜面、
ボーダーは横向きに構えて、斜面を滑りながら上がっていく。
そこで働いていたリフトチェック担当のやつに聞いたことがあるけど、
やはり途中でバランスを崩して、Tバーから外れ倒れる人もいるという。
自分は見たことないけど。
斜面がキツめなので、もうそうなると悲惨(汗)……
すごい状態で斜面を転げ落ちていくらしい(汗)
その姿は…どうだろ?
日本人が見るとヒェ〜ってしてあんぐり…
って感じで、シャレにならんとなるだろうが、
向こうの人は楽観的なので、 見た方も落ちた方も
がははははは!!
と笑ってるそうだ…
向こうの人って、バイクレースでもそうだったけど、
コケて顔から血が流れてても、なんか、
笑ってる…。痛点、少ないのかなぁ?
でも、後ろが(汗)アブないね(汗)
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大好きな山、British Columbia州 の Mt. Robson 住んでいた家の庭からの眺め。
そんなちょっぴり危険なTバーリフトだけど、
一番上に上がったその山の頂上から見下ろす
景色というのが………
尋常ではない……
もう、ひとことで表すと、
『天国に登ったかのような…』
という、表現がピッタリかも。
足もとの風景すべてが真っ白の世界…
それはどこまでも広く、拡がっていき、
眼下の向こうのほうでは雪で真っ白になった湖が
美しい森に囲まれて、小さく見える。
景色に映るすべての自然が自分よりも下にあり、
すべてがミニチュアに見えると……
なんだかどんなことも些細なことに思えた。
悩んでいたり、心配してたり、
重要に思えたことも、小さなことのように
感じるのだ。
明らかに人間は自然の一部として
自然とともにある歓びを持って、
生きたほうが良い…と思わされる。
人が通常、悩むことや考えること、
欲することなどは、さほど重要ではない
と、いう気になってくる。
あの景色を目のあたりにすれば、
確実にそう思える。
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Tバーリフトで登った頂上からボードをすこし動かして滑り始め、
白い斜面に乗っかると、一気に加速を始める。
もうどこが斜面で、どこが空かもわからなくなってくる。
まるで真っ白い空間に浮かんで
空を飛んでいるかのようだった。
不思議な感覚……
幻想的な夢のような世界……
自然を愛する心は、本当の自然と寄り添った経験でのみ
得られると思う。
皮肉なことに、自然に生かされるはずの人間は
本当の自然と寄り添う機会を自ら奪っている。
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当時、暮らしていた部屋は ◯◯◯号室という部屋がいくつもある建物で、
部屋の扉を開けると、そんなに広くはないけれど、リビングルームがある。
そこにキッチンがあり、ルームメイトたちが食事をしたり、
集えるようになっている。
裏側にはシャワー室。
その奥に狭い廊下。
廊下の両側にまたそれぞれのベッドが置かれた
小さな部屋があった。
部屋は全部で5つ。個室もあれば2人部屋も。
◯◯◯号室の住人たちは男女別に分かれていない。
すべてランダムに決められていた。
住人は入れ替わりはあったけれど、
自分が入った当初は女ふたり、男…
何人だっけ?
4人…かな?
そんなある日、ウィニペグ州から自分よりも後に、
二十歳にも満たない若きSはその◯◯◯号室にやってきて、
冬の住人となった。
二十歳前…
と言ってもあちらの若者のほとんどは
大人の落ち着き感がすでにあって、
10歳は上の大人的落ち着きがあろうか…
(老けるのも早い感じがするけれども…)
家系がドイツ系の彼女は容姿も端麗なだけに、
密かに男性陣からは人気があったようだし、
とても二十歳前には思えない大人感があった。
しかし、自分としては印象的にはあまり良くはなかった。
愛想もへったくれもなく、当時には珍しく携帯電話を持っていて、
人づきあいもあまりすることはなく、いつも何かしら電話をしていた。
同じ部屋に住んでいても話すこともなく、顔を見ても「やぁ」ぐらいだ。
向こうも全くこっちには関心もないのだろう。
そんな中、クリスマスシーズンが近づくにつれて、
だんだんとカナダ人たちはやたら陽気になっていく。
とにかく、気持ち悪い(と言ったら失礼だけど)ぐらいに、
ニコニコなのだ。
単純…と言ったら失礼だけど、まぁその単純さがいいところだけど、
気持ちに正直な人たちなのか。
そしてクリスマスイブの日のこと、
仕事を終えて部屋の扉を開けると……
明らかにリビングルームがきれいになっている。
めったにされない清掃を、誰かがした感じがあった。
不思議に思って見ていると、廊下の奥からSが
掃除機を手に出てきた。そして弾んだ声で…
『今日は仕事を休んでずっと掃除をしていたの♬』
しかも、めったに見ない、ニッコニコの笑顔……
(なんか悪いもんでも喰ったか…?)
と一瞬、思ったが、どうやらそうではないらしい。
Sの部屋の扉も空けてあって、
通り際、チラッと中が見えたが、
散らかっていた室内がきれいになっている…。
自分の部屋に入ると…
こんなところにまで掃除機をかけた感が……
(鍵がないのでね)
そして……
ベッドの際に小さな包みが置いてあった。
手にとって中を見る。
チョコレート…?
小さな手紙も一緒に入っていた。
『Very Merry Christmas !! from S 』
カラーペンでクリスマスツリーの絵が
描かれてあった。
どうやら近隣の人に配っているような感じ。
(いや…知らないけど…)
なんだか急に優しくなったようで、
面食らってしまった。
すごいな、クリスマスのマジックって…。
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年が明け、春も近づく頃、Sは街の専門学校に入学することを決め、
仕事を辞め、◯◯◯号室から退去する日が来た。
前夜はSのサヨナラパーティーが開かれた。
自分は参加しなかった。
リビングルームで呑めや歌えのドンチャン騒ぎが続き、
もぉ〜うっるさいなー、寝れやしない…
仕方がないからリビングに出ていく。
今までドンチャンは良くあったけれど、
あまり歓迎できるものではなかった。
サヨナラパーティーに参加していた連中が
みんなぐでんぐでんに酔っ払った頃、お開きになったようだ。
しかし、ひとり帰らないやつがいた。
酔いきってソファーに横たわり、眠ろうとするSに
迫ろうとするAはかねてからSを気に入っていたひとりだった。
別に人のことだから関係ないな…
と、思ってた…
のに、体と口が勝手に動いた。
『 Hey ! Hey ! Hey ! A ! 』
ここは俺の部屋でもあるから、勝手なことするな!
出て行け!!
と、言ってしまった…
なんであんなことを言ったのかはわからないのだけれども、
あまりにも自分が凄むので、Aは黙ってすごすごと出て行ってしまった。
薄暗く誰もいなくなったリビング……
自分で自分に唖然としていると、
Sは背中を向けて寝たまま、
『ありがとう… もう疲れてるから助かった…ありがとう』
と囁くように言って、眠ってしまった。
そんなSの背中を見て、妙に安心してしまっていた。
今夜、彼女が穏やかに眠れることに。
そして初めて、Sとの出会ってからの日々が
楽しかったことに気づいたのだった。
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翌日、なぜかバス乗り場まで歩いてSを見送ることになった。
やがてSを乗せるバスが到着した。
Sはバスに乗り込む前に、こちらへ向き直り、
心からのハグをくれ、大事なものを見るかのような目を向けて、
ありがとうと言ってくれた。
そしてまた…
小さな包みをくれた。
中身がなんだったか…
忘れたのだけれども、中にはまた手紙が入っていた。
『Whatever you are, ◯◯◯◯◯◯◯ 』
なんとも心温まる手紙だったのだけれども……
実は…◯◯◯◯◯◯◯が、なんだったか…
覚えていない……
その手紙は大事にとってあったのだけれども、
母親がある日、大掃除で捨ててしまったようだ…(T_T)
しかし、それがなんだったかは問題ではない。
『あなたがどうであろうとも……』
という言葉で始まるその文章の思いさえあったのであれば、
それで充分だった。
Sの印象は確かにぶっきらぼうだったかもしれなかったが、
彼女の心はおもて裏がなく、Sはとてもピュアな人だった。
人は印象や思い込みでその人の心をはかることは
出来ない。
良い印象の人だったからといって、
ずっと印象の良い人として接することができるかどうかは
わからないのだ。
心が通える時、それは必ずしも良いきっかけによってとは
言えない。
言葉をもってして通わせられる…
とも限らない。
彼女とは喋らずともお互いを気づかうことも
多くあった。
私はSとの出会いに感謝した。
今でも元気でいてほしいと思う。
心で見ることで本当のことが見えることもある。
大切なものは目には見えない。
ありがとうCanada……
Canadaのドライブ中に撮った写真。
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ふと、リクオのほうに目をやると……
嬉しそうにシッポを振りながら……
マヌケ顔で立っていた(笑)
彼のマヌケ顔はすごくカワイイ。
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山から降りてスタバに来た。
歩いて45分、山から降りてスタバに来た。
窓から見る景色。
今日は陽射しもあり、青空が広がって
気持ちよい。
……って思ってたら、ドンドン曇ってきた。
これは雪雲だ。
そうしてやっぱり降ってきた。
一日のうちに何度も天気が変わる。
特に珍しいことではなく、
ここらあたりも見かけは街のように見えるけど本当は…
「山の中」なんだから、もともとは。
山の天気は変わりやすい。
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【アーモンドクリームとカスタードクリームのオレンジタルト】
昨日?一昨日?の夜に作ったタルト。
玉子、バターなしで作る。
材料があまり揃わなくても作れるから便利。
ミカンの皮を剥くのが面倒…
面倒ゆえに雑……(笑)
まぁいいや(笑)
寒天のつゆ掛けを作り、
しっとり生地。
カスタードクリームの下の層がアーモンドクリーム。
これが美味いのです。
オレンジの酸味とも合うのですψ(`∇´)ψ
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あ…… これを書いてる間に年が明けてもた…
でも明治までの長い日本の歴史では旧暦を使っていた。
農的なことも旧暦でないとうまくいかないし、
海洋業も潮の引き満ち潮も旧暦からわかる。
なので今日は11月22日。
本当の元旦は2月8日になる。
寒くて毛布に潜るジジ子。
でも…脚とシッポが出てるよ〜。
どっちが脚で、どっちがシッポかがわからない(笑)
出てる部分は寒くないのか?
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愛する山の美しさは写真には写らない……
"When we really love and accept and approve of ourselves exactly as we are,
then everything in life works. "